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スマホにくぎ付け [紀行文]


スマホにくぎ付け



久しぶりに東京の空の下で生活をしてきた。



二日間ほど、

熊本地震の余震で怖い思いをした後に、

午後からの飛行機で羽田に向かった。



高速道路を走るリムジンバスから、

空に向かって乱立するビルの群が見える。

 


そこは人影もなく、建物の輪郭に沿って光に包まれた「未来都市」、

まるでアニメの映像さながらキラキラ輝いていた。

 



墨田区森下に宿を決め、

近くの餃子屋さんで焼き餃子をつまみ、壜ビールで喉をうるおした。



翌日は都営新宿線に乗り江戸川区瑞江まで移動する、

この時間の車内は、朝の出勤タイムから外れていて、

乗客はシートに腰を落とし、ほどよく空いていた。

 



車内風景としてぼんやりと眺めていて、ふと気が付けば、

こちらのシートも向かいのシートもその先も・・・、

皆が一様にスマホに向き合ってせっせと指を動かしている。

 



この風景は、ずっと以前携帯電話が普及した頃と同じだ、

その頃は若者学生が主流だったが今回は違う、

30代?40代?いやいや爺様婆様まで全年齢に広がっている。

 



電車は地上に出て眼下に荒川、中川の川面が青く光っていた、

ここ江戸川区は懐かしい地域、私が20代後半の頃、

新小岩をベースに営業活動を展開した所。



江戸川区にも「おいてけ堀ってあったナァ・・・」とつぶやくと、

すかさず「おいてけ堀は墨田区の話よ」と妻から訂正の一言。



私の脳裏には、

当時の江戸川区の風景の中に「おいてけ堀」の看板がリアルに再現されていた。



駅を降りると、大きな近郊地図が目にはいった、

瑞江、一之江、篠崎・・・懐かしい地名が並んでいた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

今回の東京行きは、元気なうちに義母に会っておこう、と言うのが目的で、

 


友人親戚などとのコンタクトは全て外し、ここ瑞江の小さなホームを連日訪ねた。



筆談を交えたアイ・コンタクトで、

義母97歳の意識の確かさと、心の穏やかさを確認しながら、3泊4日の最終日を迎える。

 




この間幾度となく「スマホにくぎ付け」の車内風景を目にした、

皆が横並びに同じことをしている事に対しての違和感とでも言うか、

「異常」「没個性」を感じるとともに、気味悪くさえ思えてきた。

 




もし私がこの風景の中で「スマホはやめろ!」と、大声出したら、

全員が一斉に顔をあげ私を確認目視するだろう、

「何だこの爺さん」と言う目つきを残して、再び一斉に顔を落とし、

一瞬前と同じように「スマホにくぎ付け」に戻ってしまうんではないかと想像してしまう。

 




私が思うに、この状態は生産ラインに並ぶロボットと同じように、

決まったことを決まった通りに繰り返すように、

人間が変わって来ているのではないだろうかと心配になって来る。

 



与えられた映像と情報をもとにしか物が考えられなくなる、


TVのバラエティー番組で笑わせられながら、

物事を自分の頭で考える事が出来ない人間を、

大量に生産されているような怖さも感じる、

 

茶の間のTVが24時間持ち運び自由のスマホに代わっただけである。




1人でもいいから、横並びは嫌だ!意地ででも私は本を読む、

と言うような人間が居てほしい。

 



何もしないで、ぼんやりと空想し想いを巡らす人でもいい、

 

目を閉じて瞑想する、或いは頭の中で、

あーでも無い、こーでも無いと理論や理屈をこね回す人でもいい、

 


まちなかでスマホをいじらない
    そんな人間が一人でも居てほしい。

 

 

 


タグ:スマホ
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